中国の金属材料規格・材料記号について

 

【中国の金属材料規格】

 

中国では規格を標準と呼び、国家規格(標準)はGB規格(GB: Guo jia Biao zhun:中国語読み)と呼ばれます。さらに、部門規格(業界規格)、地方で独自に制定される地方規格があります。GB規格、部門規格、地方規格の順で、上位の規格が制定された場合は、下位の規格は廃止されたり、上位の規格が定められていないものについては、企業内で「企業規格」を定めることができるなどの決まり事があるようです。また、GB規格は強制規格と任意規格に分かれ、それぞれ「GB」、「GB/T」と表示されています。

主要な鉄鋼材料について、JIS記号とそれに相当するとされるGB規格鋼材とを対照表にしてみました。(表1)

表1 主要鋼材のJISとGB規格の対照
JIS記号 相当するとされるGB規格鋼材
SS400、SM400 Q235/Q255
S45C 45
SCM440 42CrMo
SUS304 0Cr18Ni9
SUS316 0Cr17Ni12Mo2

 

【JIS規格とGB規格の比較】

 

GB規格のQ235やQ255ですが、これは降伏強さの数値を表しています。(Q:中国では屈服強さと呼ぶ。)JIS規格で相当する材料は何になるのかと問われると、降伏強さから見ると、SS400やSM400あたりが相当しそうですが表2に示すように全く同じ材料とはなりません。このほか、化学成分や伸びなども規格値に違いがあります。引張強さ基準と降伏強さ基準の考え(前者は日米、後者は欧州、中国)もあって規格間の完全な一致は難しいところです。強度の数値で表される材料について、相当する材料を使用しなければならない場合などは引張試験を行い強度確認することが必要です。

JISのS45CはGB規格では45が相当するとされ、炭素量%を100倍した数値のみで表されています。しかし、これについても厳密に言えば炭素以外の化学成分の規定に違いがあるので、類似材料となります。合金鋼や特殊鋼などのGB規格の表記については、炭素量を表す数値、さらに主要添加元素とその含有量%の数値(範囲があるものについては中央値)が続けて表記されています。たとえば、SUS304(18-8ステンレス;18.00~20.00%Cr,8.00~10.50%Ni)については0Cr18Ni9(17.00~19.00%Cr,8.00~11.00%Ni)が類似材料とされています。

表2 降伏強さと引張強さの比較
材料記号 降伏強さ
(N/mm2
引張強さ
(N/mm2
SS400(SM400) 245以上 400~510
Q235 235 375~460
Q255 255 410~510
 

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